GA4のイベントは自動収集イベント(page_view, scroll等)、推奨イベント(purchase, sign_up等のGoogle定義名)、カスタムイベント(自由に定義)の3種類。お問い合わせ送信やポートフォリオ閲覧など独自の行動を計測するにはカスタムイベントを作成し、コンバージョンとしてマークする。設定はGA4管理画面から直接行う方法とGTM(Googleタグマネージャー)経由の2通りがあり、複雑な条件やパラメータが必要な場合はGTMが推奨される。
GA4イベントとは
GA4(Google Analytics 4)はすべてのユーザー行動をイベントとして記録する。旧UA(Universal Analytics)のように「ページビュー」「イベント」「トランザクション」を別のヒットタイプとして区別せず、全てが統一されたイベントモデルで処理される。
イベントは大きく3種類に分かれる。
| 種類 | 設定 | 特徴 | 例 |
|---|---|---|---|
| 自動収集イベント | 不要(自動) | GA4タグを設置するだけで自動的に収集される | page_view, first_visit, session_start |
| 推奨イベント | 手動(名前は固定) | Googleが定義した名前とパラメータを使う。レポートが自動的に拡張される | purchase, sign_up, generate_lead |
| カスタムイベント | 手動(自由定義) | 独自の名前・パラメータで完全に自由に設計できる | contact_form_submit, portfolio_view |
イベントにはパラメータを付与できる。例えば page_view イベントには page_location(URL)や page_title(ページタイトル)が自動的に付与される。カスタムイベントにも任意のパラメータを追加でき、最大25個まで1イベントに付与可能だ。
自動収集イベント一覧
GA4の測定タグを設置するだけで、以下のイベントが自動的に収集される。追加設定は不要だ。
| イベント名 | トリガー条件 | 主なパラメータ |
|---|---|---|
page_view |
ページが読み込まれるたび | page_location, page_referrer, page_title |
first_visit |
初めてサイトを訪問したとき | — |
session_start |
新しいセッション開始時 | — |
user_engagement |
ページがフォアグラウンドで1秒以上表示 | engagement_time_msec |
scroll |
ページの90%までスクロール | percent_scrolled |
click |
外部リンクをクリック(拡張計測時) | link_url, link_domain, outbound |
file_download |
ファイルリンクをクリック(拡張計測時) | file_name, file_extension, link_url |
view_search_results |
サイト内検索を実行(拡張計測時) | search_term |
video_start |
埋め込みYouTube動画の再生開始 | video_title, video_url, video_percent |
video_progress |
動画の10%/25%/50%/75%再生時 | video_title, video_percent |
video_complete |
動画の再生完了時 | video_title, video_url |
Point
scroll、click(外部リンク)、file_download、view_search_results、video_* は拡張計測機能を有効にすると収集される。GA4の管理画面 → データストリーム → 拡張計測機能の設定で個別にON/OFFできる。デフォルトで全てONになっているが、不要なものは無効化して計測ノイズを減らすことも可能だ。
推奨イベント一覧
推奨イベントはGoogleが事前に定義した名前・パラメータの組み合わせだ。これらの名前を使うと、GA4のレポートUIが自動的にリッチな表示に拡張される。独自の名前でカスタムイベントを作る前に、推奨イベントで対応できないか必ず確認しよう。
| イベント名 | 用途 | 主なパラメータ | フリーランスでの活用 |
|---|---|---|---|
generate_lead |
リード獲得(問い合わせ等) | currency, value | お問い合わせフォーム送信 |
sign_up |
ユーザー登録 | method | メルマガ登録、会員登録 |
login |
ログイン | method | クライアント専用ページ |
purchase |
購入完了 | transaction_id, value, currency, items | オンライン決済(ECサイト構築時) |
share |
コンテンツ共有 | method, content_type, item_id | 実績ページのSNSシェアボタン |
select_content |
コンテンツ選択 | content_type, item_id | ポートフォリオのフィルター操作 |
view_item |
商品/アイテム表示 | items | サービス詳細ページの閲覧 |
search |
サイト内検索 | search_term | ブログ・実績のキーワード検索 |
推奨イベントの完全なリストはGoogleの公式ドキュメントで確認できる。フリーランスのポートフォリオサイトでは generate_lead(問い合わせ)と share(SNS共有)が特に重要だ。
カスタムイベントの作成方法
推奨イベントに該当しない独自の行動を計測したい場合は、カスタムイベントを作成する。GA4の管理画面から作成する方法(コード不要)と、gtag() または GTMで送信する方法がある。
方法1: GA4管理画面から作成(コード不要)
既存のイベントの条件を組み合わせて新しいイベントを作る方法だ。コードの変更が不要なため、エンジニア以外でも設定できる。
設定手順(5ステップ):
- GA4の管理画面を開き、左メニュー「管理」→「イベント」を選択
- 「イベントを作成」→「作成」ボタンをクリック
- カスタムイベント名を入力(例:
scroll_50_percent) - 一致する条件を設定(例: event_name = scroll かつ percent_scrolled = 50)
- 「作成」をクリックして保存
Point
この方法は既存イベントの「フィルタリング」に近い。完全に新しい行動(ボタンクリック、フォーム送信など)を計測するには、gtag()かGTMでのイベント送信が必要になる。
方法2: gtag()でコードから送信
HTMLに直接JavaScriptコードを記述してイベントを送信する方法だ。シンプルなサイトやWordPressのテンプレートに埋め込む場合に適している。
イベント名の命名規則
カスタムイベント名には以下のルールがある。違反するとデータが収集されないため注意が必要だ。
| ルール | 詳細 | 例 |
|---|---|---|
| 文字数 | 最大40文字 | contact_form_submit (20文字) |
| 使用可能文字 | 英数字とアンダースコアのみ | portfolio_view OK / portfolio-view NG |
| 先頭文字 | 英字で始める(数字NG) | event_2026 OK / 2026_event NG |
| 予約語 | Googleの予約語は使用不可 | ad_click, app_remove など |
| 大文字小文字 | 区別される(別イベント扱い) | Contact_Submit ≠ contact_submit |
GTMでのイベント設定
GTM(Googleタグマネージャー)を使えば、コードを直接編集せずにイベントを設定できる。複数の条件を組み合わせたトリガーや、動的な値の取得が必要な場合に特に有効だ。
ステップ1: 変数の設定
GTMの「変数」セクションで、イベントに渡す値を取得するための変数を設定する。
ステップ2: トリガーの作成
イベントを発火させる条件を「トリガー」として定義する。よく使うトリガータイプは以下の通りだ。
| トリガータイプ | 用途 | 設定例 |
|---|---|---|
| クリック - すべての要素 | 任意の要素のクリック | Click Element が CSS セレクタ .js-ctaBtn に一致 |
| クリック - リンクのみ | リンクのクリック | Click URL が .pdf を含む |
| フォーム送信 | フォームのsubmit | Form Element が #contactForm に一致 |
| スクロール距離 | ページの特定位置まで到達 | 縦スクロール距離が 25%, 50%, 75% に到達 |
| 要素の表示 | 特定要素がビューポートに入った | CSS セレクタ #priceSection が表示 |
| カスタムイベント | dataLayerへのpush | イベント名が form_success に一致 |
ステップ3: タグの作成
トリガーの条件が満たされたときに実行する「タグ」を作成する。GA4イベントの場合、タグタイプは「Googleアナリティクス: GA4 イベント」を選択する。
ステップ4: dataLayer.push()との連携
フォーム送信完了後やJavaScriptの処理完了後にイベントを送信したい場合は、dataLayer.push() を使ってGTMにデータを渡す。
コンバージョン設定
GA4ではイベントを「コンバージョン(キーイベント)」としてマークすることで、ビジネス上重要な行動を優先的にレポートで追跡できる。2024年3月以降、GA4では「コンバージョン」から「キーイベント」に名称変更されたが、機能は同一だ。
コンバージョン登録の手順
- GA4管理画面を開き、左メニュー「管理」→「キーイベント」を選択
- 「新しいキーイベント」をクリック
- コンバージョンとして計測したいイベント名を入力(例:
generate_lead) - 「保存」をクリック
Point
イベントが1回以上計測された後でないと、イベント一覧に表示されない。先にDebugViewでイベントが正しく送信されていることを確認してからコンバージョン登録する手順がおすすめだ。
フリーランスサイトで登録すべきコンバージョン
| コンバージョン | イベント名 | 重要度 | 計測理由 |
|---|---|---|---|
| お問い合わせ送信 | generate_lead |
最重要 | 直接的な売上につながる最重要KPI |
| 電話リンクタップ | phone_call_click |
重要 | モバイルからの直接連絡を計測 |
| 資料ダウンロード | file_download |
重要 | サービス資料や料金表の需要を把握 |
| SNSシェア | share |
中 | 口コミによる認知拡大の効果測定 |
デバッグ・確認方法
イベント設定後は、必ずデータが正しく送信されているか確認する。GA4には3つの確認手段がある。
1. DebugView(最も詳細)
GA4管理画面の「管理」→「DebugView」で、リアルタイムにイベントの送信状況を確認できる。デバッグモードを有効にする方法は2つ。
DebugViewでは、イベントがタイムラインで表示され、各イベントをクリックするとパラメータの値も確認できる。イベント名の誤字や、パラメータの値が正しく渡っているかを検証する最も確実な方法だ。
2. リアルタイムレポート(簡易確認)
GA4のレポート画面の「リアルタイム」セクションで、過去30分以内のイベントを確認できる。DebugViewほど詳細ではないが、イベントが計測されているかどうかの簡易確認に便利だ。
3. GTMプレビューモード(GTM利用時)
GTMの「プレビュー」ボタンをクリックすると、Tag Assistantが起動する。ここでは以下を確認できる。
- どのトリガーが発火したか
- どのタグが実行されたか
- dataLayerに何がpushされたか
- 各変数の値は何だったか
おすすめの確認フロー
GTMプレビューでタグの発火を確認 → GA4のDebugViewでイベント受信を確認 → リアルタイムレポートで最終チェック、の3段階で確認すると漏れがない。
フリーランスサイトでよく使うイベント設計例
フリーランスのポートフォリオサイトやコーポレートサイトで実際に設計するイベントの具体例を紹介する。そのままコピーして使えるコード付きだ。
例1: お問い合わせフォーム送信
例2: ポートフォリオ作品の閲覧
例3: 料金ページの閲覧深度
例4: 電話リンクのタップ(モバイル)
イベント設計のまとめ表
| 行動 | イベント名 | 種類 | コンバージョン |
|---|---|---|---|
| お問い合わせ送信 | generate_lead |
推奨 | 必須 |
| 電話タップ | phone_call_click |
カスタム | 推奨 |
| 資料DL | file_download |
自動(拡張) | 推奨 |
| 作品閲覧 | select_content |
推奨 | 任意 |
| 料金ページ閲覧 | view_pricing |
カスタム | 任意 |
| SNSシェア | share |
推奨 | 任意 |
| フィルター操作 | portfolio_filter |
カスタム | 不要 |
| 外部リンククリック | click |
自動(拡張) | 不要 |
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