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失敗しない
案件ヒアリング7つのポイント

「言った言わない」のトラブル、追加作業の無料対応、終わらない修正地獄...。これらの原因の多くは、初回ヒアリングの不足にあります。プロジェクト成功の鍵を握る7つのポイントを解説。

読了時間: 約12分 更新日: 2026年1月24日

フリーランスとして案件を受ける際、最初のヒアリングがプロジェクトの成否を決めると言っても過言ではありません。ここで確認を怠ると、後から「そんな話は聞いていない」「想定と違う」というトラブルが発生します。

本記事では、初回MTGで必ず確認すべき7つのポイントと、ヒアリングシートの効果的な活用方法を解説します。

1. プロジェクトの背景と目的

なぜ聞くのか

「Webサイトを作りたい」という依頼の裏には、必ず目的があります。売上を上げたいのか、ブランディングなのか、採用強化なのか。目的を理解しないまま作ると、「きれいだけど効果がない」サイトができあがります。

聞くべき質問

プロのTips

「なぜ」を3回深掘りすると、本当の目的が見えてきます。「サイトをリニューアルしたい」→「なぜ?」→「問い合わせが減ったから」→「なぜ減ったと思う?」→「デザインが古くてスマホで見づらいから」

2. ターゲットユーザーの明確化

なぜ聞くのか

誰に向けたサイト・サービスなのかが曖昧だと、デザインも文言も定まりません。「誰でも使える」は「誰にも刺さらない」と同義です。

聞くべき質問

ペルソナシートの活用

ヒアリング内容をもとに「ペルソナ」を作成し、クライアントと共有しましょう。具体的な人物像があると、「この人にとって使いやすいか?」という判断基準ができ、デザインの方向性で揉めにくくなります。

3. 予算感と優先順位

なぜ聞くのか

予算を聞かずに見積もりを出すと、「予算オーバーで没」か「安すぎて利益が出ない」のどちらかになります。また、予算に対して要望が多すぎる場合、優先順位をつけて提案する必要があります。

聞くべき質問

予算を聞けない場合

「予算は言えない」と言われた場合は、こちらから参考価格を提示しましょう。「一般的に同規模のサイトだと80〜150万円程度ですが、この範囲でお考えでしょうか?」と聞くことで、予算感を探れます。

4. スケジュールとマイルストーン

なぜ聞くのか

「なるはやで」という依頼を真に受けると、自分のスケジュールが崩壊します。また、クライアント側の確認期間を考慮しないと、承認待ちで全体が遅延します。

聞くべき質問

マイルストーンの設定

大きなプロジェクトでは、中間地点での確認を設けましょう。全部作ってから「イメージと違う」と言われると、大幅な手戻りが発生します。

  1. 要件定義完了

    サイトマップ、ワイヤーフレームの承認。方向性を固める。

  2. デザイン確定

    トップページデザインの承認。下層ページは方向性の確認。

  3. テスト環境公開

    実際のサイトを確認。内容・動作の最終チェック。

  4. 本番公開

    正式リリース。公開後のサポート期間開始。

5. 決裁者と承認フロー

なぜ聞くのか

担当者と合意したデザインが、上司の一言でひっくり返る...。これを防ぐには、決裁者を把握し、適切なタイミングで承認を得る必要があります。

聞くべき質問

危険なサイン

「社長の最終確認が必要」と言われた場合、社長を直接MTGに呼べないか交渉しましょう。最後にひっくり返されると、それまでの工数がすべて無駄になります。

6. 技術要件と制約条件

なぜ聞くのか

使用できるサーバー、CMSの指定、セキュリティ要件など、技術的な制約は見積りに大きく影響します。後から「実は〇〇を使う必要があった」と言われると、見積りが崩れます。

聞くべき質問

確認すべき制約

項目 確認事項 影響
サーバー 既存 or 新規、スペック、SSL対応 技術選定、コスト
ブラウザ対応 IE対応の有無、モバイル比率 工数、テスト範囲
多言語対応 対応言語、翻訳手配 構造設計、コスト
運用体制 更新頻度、担当者スキル CMS選定、マニュアル作成

7. 成果物と修正回数

なぜ聞くのか

「納品物」の認識がずれていると、追加作業を無料で求められます。また、修正回数を決めておかないと、永遠に終わらない修正地獄に陥ります。

聞くべき質問

修正回数の設定

見積書に「修正回数の上限」を明記しましょう。一般的には、デザイン修正2回、コーディング後の修正1回程度が目安です。

ヒアリングシートの活用

上記7つのポイントを漏れなく確認するために、ヒアリングシートを活用しましょう。事前に送付して記入してもらうことで、MTGの時間を有効に使えます。

ヒアリングシートのメリット

  1. 確認漏れ防止 - 質問リストがあれば、聞き忘れがない
  2. 事前準備 - クライアントが事前に考えをまとめてくれる
  3. 議事録代わり - 記入内容がそのまま合意事項の記録になる
  4. プロ感の演出 - 体系的なヒアリングで信頼感アップ

ヒアリングシートの構成例

# プロジェクト概要 - プロジェクト名: - ご担当者名: - 会社名: - 連絡先: # 1. 背景・目的 - プロジェクトの目的: - 達成したい目標(数値): - このタイミングで始める理由: # 2. ターゲット - メインターゲット: - 抱えている課題: - 競合との差別化ポイント: # 3. 予算・優先順位 - 想定予算: - 最優先の機能: - あれば嬉しい機能: # 4. スケジュール - 希望納期: - 重要なマイルストーン: - 確認に必要な日数: # 5. 体制 - 最終決裁者: - 日常の連絡先: - 確認が必要な部署: # 6. 技術要件 - 既存サーバー・ドメイン: - 指定CMS: - 連携システム: - セキュリティ要件: # 7. 成果物 - 必要な納品物: - 運用サポートの有無: - 素材の手配: # 参考サイト - 好みのサイト(3つ程度): - 競合サイト:

ヒアリング結果をすぐに見積書へ

ヒアリングで得た情報をもとに、粗利率を確保した見積書を作成。テンプレート保存機能で、似た案件の見積作成も効率化できます。

よくある質問

ヒアリングはオンラインと対面どちらがいいですか?
初回は可能なら対面をおすすめします。相手の表情や雰囲気から、言葉にならない情報を読み取れます。ただし、遠方の場合や効率重視の場合はオンラインでも問題ありません。その場合は画面共有で参考サイトを一緒に見ながら進めると効果的です。
ヒアリングシートを送っても記入してもらえない場合は?
「MTG前に目を通していただくだけで結構です」と伝え、MTG当日に口頭で確認しながら一緒に埋めていく方法もあります。記入のハードルを下げつつ、必要な情報は確実に得られます。
クライアントが予算を教えてくれない場合は?
「ご予算を伺えると、その範囲で最適な提案ができます」と伝えましょう。それでも難しい場合は、松竹梅の3パターンを提示して、どの価格帯が現実的か探ります。
ヒアリング後、見積提出までの目安期間は?
小規模案件なら3営業日以内、中〜大規模案件でも1週間以内を目安にしましょう。時間をかけすぎると、クライアントの熱が冷めたり、競合に先を越されたりします。
ヒアリング自体に料金は発生しますか?
一般的に、見積作成までは無料とするケースが多いです。ただし、要件定義やコンサルティングレベルの深いヒアリングが必要な場合は、有料の「要件定義フェーズ」として切り出すこともあります。