2026年版 ToolShare Lab / Guide

Web制作の料金相場ガイド
フリーランスの適正価格と見積もりの出し方

LP・コーポレートサイト・ECサイトなど種類別の料金相場から、フリーランスの単価設定、見積書の内訳の書き方、粗利30%を確保するテクニックまで。Web制作の「お金」にまつわる疑問をすべて解決します。

読了時間: 約12分 更新日: 2026年3月10日

Web制作の種類別 料金相場

「Webサイトを作りたいけど、いくらが相場なの?」「フリーランスとして見積もりを出すとき、高すぎないか心配」。Web制作の料金は、サイトの種類・規模・要件によって大きく変わります。まずは2026年現在の種類別相場を把握しましょう。

サイト種類別の料金相場一覧

サイト種類 ページ数目安 相場(税抜) 制作期間
LP(ランディングページ) 1ページ 10万〜50万円 2〜4週間
コーポレートサイト 5〜15ページ 30万〜150万円 1〜3ヶ月
ECサイト 20ページ以上 50万〜300万円 2〜6ヶ月
WordPress サイト 5〜20ページ 20万〜80万円 1〜2ヶ月
オウンドメディア 10ページ+記事テンプレ 50万〜200万円 2〜4ヶ月
採用サイト 5〜10ページ 30万〜100万円 1〜2ヶ月

Point

上記はフリーランス個人の相場です。制作会社に依頼する場合は1.5〜3倍程度になることが一般的です。ただし、ディレクション・品質管理・保守体制が含まれるため単純比較はできません。

価格差が生まれる要因

同じ「コーポレートサイト」でも30万円と150万円で5倍の差があります。この価格差は以下の要因で決まります。

LPの料金相場を深掘り

LPは1ページ完結のため「簡単そう」に見えますが、コンバージョンを意識した設計にはスキルが必要です。10万円台はテンプレートベース、30万円以上はフルオリジナルデザインにヒートマップ分析やA/Bテスト設計まで含むケースが多いです。

広告運用とセットで依頼されることも多く、LP制作費+広告運用費(月額5万〜20万円)で長期契約になるパターンもあります。単価だけでなく、継続収益につながるかどうかも考慮しましょう。

フリーランスの単価設定方法

「いくらにすればいいか分からない」は、独立したてのフリーランスの最大の悩みです。感覚で決めると安請け合いになりがち。ロジカルに単価を設定する方法を解説します。

時間単価の計算式

年収目標 ÷ 年間稼働日数 ÷ 1日の稼働時間 = 時間単価 例: 600万円 ÷ 220日 ÷ 8時間 = 3,409円/時間 ※ 実際は営業・経理・スキルアップに時間を使うため 稼働率70%で計算するのが現実的: 600万円 ÷ (220日 × 0.7) ÷ 8時間 = 4,870円/時間

注意

会社員時代の年収をそのまま目標にしてはいけません。フリーランスは社会保険料・国民年金・経費を全額自己負担します。会社員の年収500万円は、フリーランスの年収700万円に相当すると考えましょう。

スキルレベル別の時間単価目安

レベル 経験年数 時間単価 LP換算
ジュニア 1〜2年 2,500〜4,000円 10万〜20万円
ミドル 3〜5年 4,000〜6,000円 20万〜35万円
シニア 5〜10年 6,000〜10,000円 35万〜60万円
エキスパート 10年以上 10,000〜20,000円 60万〜120万円

年収目標から逆算する方法

時間単価だけでなく、「年間何件受注すれば目標年収に届くか」を逆算することも重要です。

  1. 年収目標を決める

    手取りベースで考える。税金・社保・経費を含めた売上目標は、手取り目標の約1.5倍が目安。手取り500万円なら売上目標は750万円。

  2. 平均単価を設定する

    過去の実績や市場相場から、1案件あたりの平均単価を設定。コーポレートサイト中心なら50万〜80万円。

  3. 必要件数を算出する

    750万円 ÷ 65万円(平均単価)= 約12件/年 = 月1件ペース。これが現実的かどうかでプランを調整。

  4. 営業量を見積もる

    受注率が30%なら、月1件受注に月3〜4件の商談が必要。営業コストも単価に含めて考える。

見積書の内訳と書き方

「一式 50万円」では、クライアントは何にお金を払っているのか分かりません。内訳を明確にすることで信頼感が生まれ、追加作業の交渉もスムーズになります。

見積書の基本内訳と相場

項目 内容 相場(対総額比)
ディレクション費 要件定義、進行管理、MTG 総額の10〜20%
デザイン費 ワイヤーフレーム、ビジュアルデザイン 総額の30〜40%
コーディング費 HTML/CSS/JS実装、レスポンシブ対応 総額の25〜35%
CMS構築費 WordPress等の導入、カスタマイズ 5万〜30万円
テスト・検証費 ブラウザテスト、表示確認 総額の5〜10%
保守・運用費 月次更新、セキュリティ対応 月額5,000〜30,000円

見積書の記載例(コーポレートサイト 80万円の場合)

【Web制作費 御見積書】 1. ディレクション費 - 要件定義・ヒアリング 50,000円 - 進行管理・定例MTG(4回) 50,000円 小計 100,000円 2. デザイン費 - TOPページデザイン 100,000円 - 下層ページデザイン(5P) 150,000円 - スマートフォン最適化 50,000円 小計 300,000円 3. コーディング費 - TOPページコーディング 60,000円 - 下層ページコーディング(5P) 120,000円 - レスポンシブ対応 40,000円 小計 220,000円 4. CMS構築費 - WordPress導入・設定 50,000円 - 投稿機能カスタマイズ 30,000円 小計 80,000円 5. テスト・検証費 - ブラウザ・デバイステスト 30,000円 - 修正対応 20,000円 小計 50,000円 6. サーバー・ドメイン初期設定 50,000円 ────────────────────── 合計(税抜) 800,000円 消費税(10%) 80,000円 合計(税込) 880,000円

ツールで簡単作成

上記のような見積書を、当サイトの見積書作成ツールで簡単に作成できます。内訳テンプレートを保存しておけば、次回から数クリックで完成します。

内訳を出すメリット

  1. クライアントの信頼を得やすい - 何にいくらかかるか透明性がある
  2. スコープ変更時の交渉がしやすい - 「ページ追加はコーディング費+2万円」と言える
  3. 値引き交渉に対応しやすい - 項目単位で調整可能
  4. 自分の工数管理にも役立つ - 赤字の工程が可視化される

値引き交渉への対応

「もう少し安くなりませんか?」はフリーランスなら必ず言われるセリフ。ここで大切なのは、単純な値引きではなく「価格とスコープのバランス」で対応することです。

値引きの代わりにスコープを調整する

「10万円値引きしてください」と言われたら、「10万円分のスコープを削減しましょう」と提案します。具体的には以下のような調整が可能です。

値引き額 スコープ調整例
5万円 レスポンシブ対応をシンプル化(個別最適化→ブレイクポイント1つ)
10万円 下層ページを5P→3Pに削減
15万円 アニメーション・インタラクションを簡素化
20万円 デザイン案を2案→1案に変更

安請け合いの危険性

「実績作りのため」「継続案件がもらえるかも」と安請け合いをしてしまうフリーランスは少なくありません。しかし、安請け合いには以下のリスクがあります。

  1. 自分の相場が下がる - 一度安く受けると、次回以降の値上げが難しい。同じクライアントから「前回は○万円だったのに」と言われる
  2. モチベーションが下がる - 割に合わない仕事は品質が落ちやすい。結果としてポートフォリオに入れられない成果物になる
  3. 時間の機会損失 - 安い案件に時間を取られ、適正価格の案件を逃す。月1件50万円の方が、月3件15万円より効率的
  4. 業界全体の相場が下がる - 安売り競争は誰も幸せにならない。適正価格を守ることは業界貢献でもある

注意

「知人価格」も要注意です。知人からの依頼は断りにくく、追加作業が発生しやすく、トラブル時に関係が壊れるリスクがあります。知人であっても契約書を交わし、適正価格で受けましょう。

断る勇気も大切

予算が合わない案件は丁重にお断りしましょう。「ご予算に合う制作会社をご紹介します」と代替案を提示すれば、印象も悪くなりません。無理な値引きを受けるより、次の適正価格の案件を探す方が長期的にプラスです。

粗利率30%を確保する方法

売上が上がっても、手元に残るお金が少なければ事業は続けられません。フリーランスが安定して活動するためには、最低でも粗利率30%を確保することが目標です。

原価計算の基本

粗利率 = (売上 - 原価) ÷ 売上 × 100 例: 80万円の案件 原価(自分の人件費 + 外注費 + 経費)= 56万円 粗利 = 80万円 - 56万円 = 24万円 粗利率 = 24万円 ÷ 80万円 × 100 = 30%

フリーランスの原価に含めるもの

粗利30%を確保する5つのテクニック

  1. 工数バッファを20%載せる

    見積もった工数に20%のバッファを追加します。修正対応やコミュニケーションコストは必ず発生します。40時間の見積もりなら48時間で計算。

  2. 外注費にマージンを載せる

    外注費には15〜30%のマージンを載せるのが一般的。外注先の管理・品質チェックの工数があるため、これは正当な対価です。

  3. 修正回数を明記する

    「デザイン修正は2回まで、3回目以降は1回あたり○万円」と見積書に明記。際限のない修正を防ぎます。

  4. 保守契約で継続収益を得る

    月額1〜3万円の保守契約は粗利率が高い。更新作業・セキュリティ対応を月額で受ければ、安定した収益基盤になります。

  5. テンプレート・コンポーネントを再利用する

    過去に作ったコンポーネントやテンプレートを活用し、制作時間を短縮。同じ売上でも原価が下がり、粗利率が向上します。

ツールで粗利を可視化

当サイトの見積書作成ツールには粗利率の逆算機能があります。目標粗利率を入力するだけで、必要な売上金額を自動計算できます。

料金表の作り方

フリーランスも「料金表」を用意しておくと、問い合わせから受注までのスピードが上がります。料金が明確なだけで、クライアントの安心感は大きく変わります。

メニュー化の3つのメリット

  1. 問い合わせの質が上がる - 予算が合わないクライアントは事前にフィルタリングされるため、商談の成約率が向上
  2. 見積もり作成が早くなる - ベース料金が決まっていれば、カスタマイズ分だけ調整すればOK
  3. 値引き交渉を減らせる - 「料金表に基づいた価格です」と根拠を示せる

松竹梅プランの設計

心理学の「極端回避性」(3択なら真ん中を選びやすい)を活用し、3つのプランを用意します。最も売りたいプランを真ん中に置くのがポイントです。

プラン ライトプラン スタンダードプラン プレミアムプラン
価格 30万円 60万円 120万円
ページ数 5ページ 10ページ 20ページ
デザイン テンプレートベース オリジナルデザイン フルオリジナル+動画
レスポンシブ 基本対応 完全対応 完全対応+タブレット最適化
CMS なし WordPress WordPress+カスタマイズ
SEO対策 基本設定 内部SEO対策 総合SEO+構造化データ
修正回数 2回 3回 5回
納期 3週間 6週間 10週間

料金表を作るときの注意点

Point

料金表はWebサイトに掲載する必要はありません。PDFで用意しておき、問い合わせがあったときに送付する形でもOKです。掲載する場合は「○万円〜」と幅を持たせましょう。

見積書・請求書を今すぐ作成

この記事で解説した内訳テンプレートを使って、見積書を簡単に作成できます。粗利率の自動計算、テンプレート保存、PDF出力に対応。請求書もあわせてご活用ください。

よくある質問

フリーランス1年目の単価はいくらが妥当ですか?
経験年数やスキルにもよりますが、前職でWeb制作の実務経験がある場合は時間単価3,000〜4,000円が目安です。LP1本で15万〜25万円、コーポレートサイトで30万〜50万円程度。最初は実績作りのために少し低めに設定しても構いませんが、原価割れ(赤字)にならないよう注意しましょう。3〜6ヶ月の実績ができたら、段階的に値上げしていくのが理想です。
知人からの依頼で安くしていいですか?
基本的にはおすすめしません。知人価格で受けると「次もこの値段で」と固定化されやすく、追加作業を断りにくくなります。また、ビジネスとプライベートの境界が曖昧になり、トラブル時に人間関係まで壊れるリスクがあります。どうしても安くする場合は、通常価格を提示した上で「今回は友人割引として○%引き」と明示し、契約書も交わしましょう。
保守費用の相場はいくらですか?
月額5,000〜30,000円が一般的です。内容によって異なり、WordPress等のCMSアップデート・セキュリティ対応のみなら月額5,000〜10,000円、テキスト修正や画像差し替え等の軽微な更新を含む場合は月額10,000〜20,000円、アクセス解析レポート・改善提案まで含む場合は月額20,000〜30,000円が目安です。月間の対応時間上限(例: 2時間まで)を設定しておくとトラブルを防げます。
追加作業が発生した場合の請求はどうすればいいですか?
見積書・契約書に「追加作業は別途見積もり」と明記しておくことが大前提です。追加作業が発生した時点で、作業内容と費用をメールで提示し、承認を得てから着手しましょう。口頭での承認はトラブルの元。小さな修正でも積み重なると大きな工数になるため、「軽微な修正は○回まで無料、以降は1回あたり○円」とルールを決めておくのがベストです。
デザインとコーディングの費用比率はどれくらいですか?
一般的にはデザイン40%、コーディング35%、ディレクション15%、テスト10%の比率が目安です。ただし、デザインの複雑さやアニメーションの有無、CMS構築の要否によって大きく変動します。テンプレートベースのサイトはコーディング比率が下がり、フルオリジナルのリッチサイトはデザイン比率が上がります。両方を自分で行う場合も、工数を分けて記録しておくと、将来外注する際の基準になります。